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ナフサショックによる今後の住宅設備品の動向

イラン情勢(2026年2月に発生したホルムズ海峡の混乱など)を発端とする「ナフサショック」は、石油化学製品を原料とする日本の住宅設備・建材業界に極めて深刻な影を落としています。ナフサはプラスチックや樹脂、塗料などの最上流原料であるため、影響は多岐にわたります。

8月以降、さらに値上げ・在庫不足が懸念される製品

ナフサが国内に届き、部材に加工されて製品化するまでには「数ヶ月のタイムラグ」があります。そのため、2026年8月以降は「値上げの第二波」や在庫調整の本番になると見られています。

1.1.大手メーカーの水回り設備(トイレ・浴室・キッチン・洗面)

・動向: 最大手のLIXIL(リクシル)が2026年8月3日受注分から、水まわり・タイル商品などの一斉値上げ(平均8〜15%程度、アイテムによっては最大19〜25%程度)を公式発表しています。
・理由: 浴槽(FRP樹脂)や、キッチン・洗面のカウンター、便座などのプラスチック・樹脂パーツにナフサ不足によるコスト高騰が直撃しているためです。他社も追随する可能性があり、8月直前の駆け込み需要による一時的な納期遅延(在庫不足)も懸念されます。

1.2.住宅サッシ・インテリア・エクステリア

LIXILをはじめ、サッシの樹脂部分やドア、カーポートなどの外構製品(エクステリア)も、8月から秋口(9月・10月)にかけて10〜15%程度の大幅な価格改定が予定されています。

1.3.塩化ビニル床材・壁紙(クロス)

サンゲツなどの内装材大手も、ナフサ由来の塩化ビニル樹脂高騰を受けて、20〜30%の大幅値上げや副資材(接着剤)の供給制限を順次進めており、夏以降の工事原価に大きく響いてきます。

すでに値上げ・在庫不足(制限)が起きている製品

春先(4月〜5月)からすでに直撃しており、現在も価格高止まりや供給調整が続いている分野です。

2.1.システムバス(ユニットバス)・トイレユニット

春先に一部主要メーカーで一時受注停止に追い込まれるほどの混乱が起きました。現在は段階的に受注を再開しているものの、メーカーによっては「納期は個別回答(通常より時間がかかる)」という供給制限・調整状態が続いています。

2.2.プラスチック系断熱材(カネライトフォーム等)

家全体の気密性を高める断熱材は、原材料費の限界からすでに約40%という異常とも言える値上げが実施されています。一戸建て1棟あたり数十万円のコストアップに直結しています。

2.3.配管材(塩化ビニル管・ポリエチレン管)

給排水や給湯に欠かせない樹脂管も、5月以降に12%〜20%以上の値上げが定着しています。

2.4.外壁塗装用の塗料・シンナー類

石油由来の塗料や希釈用のシンナーは、20%〜70%という猛烈な値上げや一時的な流通目詰まりが起きています。

コンロ、ボイラー(給湯器)、エアコンについても、ナフサ高騰や製造・物流コストの上昇が直撃しており、2026年夏の「8月・9月」を境に大きな動きがあります。

これらは水回り設備に比べて金属の割合が多いものの、電子基板の樹脂、配線被覆、内部の防振・断熱材、さらには施工時に使う樹脂管(塩ビ管など)にナフサが必須なため、逃れられない状況です。

具体的に「すでに起きていること」と「8月・9月以降の見通し」に分けて解説します。

3.1.ボイラー・給湯器(ガス・石油・エコキュート)

ボイラー類は、本体だけでなく「交換工事に使う部材」がすでに猛烈に値上がりしています。配管に使う塩化ビニル管やポリエチレン管、金属入りの継手などが、今春から15〜25%以上値上がりしており、工事総額のベースがすでに上がっています。
すでに起きていること:

  • ノーリツが2026年3月に石油給湯器を2〜12%値上げしています。

  • 三菱電機では、ナフサ由来のシンナー調達不足を理由に、エコキュート部品の塗料仕様を変更せざるを得なくなるなど、製造現場のやり繰りが続いています。

8月・9月以降の見通し(最重要):

  • ノーリツ:2026年8月3日受注分からガス給湯機器や温水暖房熱源機をさらに「約5〜18%」大幅値上げすることを発表しました。

  • リンナイ:2026年9月1日出荷分から給湯暖房機、ふろ給湯器などの給湯機器類を「2〜12%(平均6.8%)」一斉値上げすることを公式発表しました。

  • 在庫への影響: 夏場は本来、給湯器の需要が落ち着く時期ですが、「8月・9月の値上げ前の駆け込み発注」が殺到すると、一時的に特定の人気機種で在庫不足や納期遅延が発生するリスクがあります。

3.2.エアコン

エアコンは、冷媒ガスを回すための内部パーツや、室内機・室外機のプラスチック筐体にナフサ製品が大量に使われています。
すでに起きていること:
パナソニックなどの空調大手が、2026年4月1日より住宅設備用エアコンや関連部材の価格改定(値上げ)をすでに実施しました。また、4月下旬には施工店各社でもエアコンの標準取付費や配管延長などの工事費用が数千円規模で値上げされています。
8月以降の見通し:

  • 8月以降に新たな即時値上げが予告されているわけではありませんが、「省エネ基準の強化(2026年問題)」による製造コスト上昇が重なっており、じわじわと市場価格の底上げが続いています。

  • 在庫への影響: ナフサ起因の部材調達の遅れに加え、7月〜8月は「夏本番の繁忙期」です。需要集中と供給の綱渡りが重なると、「買いたい機種が品切れ」「工事が3週間待ち」といった物理的な在庫・人員不足が例年以上にシビアになる恐れがあります。

今後の見通し

注意:価格の下方硬硬性(下がり With づらさ) 過去のウッドショックの際もそうでしたが、イラン情勢が仮にこの先沈静化したとしても、一度上がったメーカー希望小売価格や人件費・運送費が元の水準に下がることはほぼありません。現在の高値が「新しい標準(ニューノーマル)」になると考えて計画を立てる必要があります。
残念ながら現状では値上げに歯止めが利かない状況です。
中和石油でも在庫分の販売が終了となり次第、随時、値上げとなります。
>>>中和石油へのご相談はこちらから

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